
私の若い頃には、卒業、新入学、就職などの節目にお祝いに腕時計を贈ったものでした。
私も高校入学時に父から貰った時計がありますが、今も現役で動いていますよ。
○○年前になりますが・・・(笑)
今回は古い時計のお手入れについて書いてみようと思います。
古い時計の毎日のお手入れ
日々の手入れはそれぞれに大変ですが、ちょっとしたことでモノはずいぶんと長持ちします。
大抵の時計はステンレススティールでケースやベルトを作っていますが、この金属は錆びにくいという大きな特徴をもっています。
(決して錆びないのではありませんので、こだわる方にはゴールドかプラチナがよろしいでしょう・・)
ステンレススティールは、鉄とクロムやニッケルなどの元素との合金です。
この中のクロムは空気(酸素)に触れると酸化被膜(不動被膜)を形成して錆の発生を防いでくれるのですが、金属表面が汚れや汗などで覆われるとクロムは酸化被膜を作ることができなくなります。
汗や汚れはそのまま金属表面を汚染し、浸食しますから気がついたら錆びている・・なんて悲しいことになるのですね。
軽くから拭きがおすすめ
毎日使った後は軽く時計を拭くことをお奨めします。
まずは、から拭きして汗や汚れを除去します。
入り込んだところは歯ブラシでこするとよいでしょう。
楊枝も結構役立ちます。ひどい汚れは専用の磨きクロスもございますのでお試し下さいませ。
ベルトのお手入れ
時計を複数個お持ちでしたら毎日替えながらお使いいただくのも有効ですね。
革ベルトの場合
靴は毎日続けて履かず、三日のローテーションがよいと言われます。
これは革ベルトにもとても嬉しい配慮です。
ベルトは消耗品としての運命もありますが、日々の手入れでかなり長持ちします。
また、ベルトは手首に密着させず、指一本くらいの余裕を持たせることがポイントです。
革ベルトに開閉式のバックルを付けますと脱着の際にベルトをこじることが少なくなりますのでお奨めします。
金属ベルトの場合
金属ベルトは定期的に洗浄されるとよいでしょう。
ただ、この作業は時計からベルトを外すことが必要ですから、専門家にお任せいただくのがよいかと思います。
汚れ方にもよりますが、半年に一度されるとかなりきれいに保てるものです。
ケース自体は定期的なオーバーホール作業で洗浄しますのでその時でよいと思います。
小キズも愛着を感じます
腕時計も長く使っていると、小キズが増えてきます。
研磨をしようかと考えることもありますが、これは木の年輪や顔の皺(しわ)と同じかと考えてそのままにしています。
古いクォーツ時計ですから六時辺りに水晶を示すマークが入っていますが、これを知っている方は強者(つわもの)です。
初期の頃はマークを入れて「これは水晶なんだぞ」といばっていたのですね。
お茶目なものでした・・。
古いものを長く使うために
個人的には古い時計が好きですので手入れは気を使います。
洗顔・手洗い時は外しますし定期的なメンテナンスも欠かせません。
50年~70年前の時計などもありますから要介護です。
電波修正方式の時計は職場のクロックくらいですね。(電池交換作業時などの時刻修正用)
家には昔のボンボン時計がぶら下がっていますが、ぜんまいを巻く鍵穴が二つあるタイプです。
そんなに正確な時刻を必要としておりませんのでこれで十分です。
半世紀以上も前の時計が頑張っているのは感激です。
私も負けてはならないと思いますが時々怠けています。
人間は考える葦であると昔の人は言いましたが、休み怠ける葦でもあるのですね。
それでいいと思います。
古い時計の修理もお任せください
私達の仕事は修理を通じて時計を大切に使っていただくことです。
安い時計も多いですから電池切れなどで止まると、その都度買い替えるという方もおられるようですね。
考え方は様々ですが、せめて修理のできる時計を購入されることを望みます。
「カワイイ」という言葉で表現されることが多くなりましたが、アンティーク時計にはそんな雰囲気のモノが多いですね。人と機械の善隣関係は大切にしたいものです。
かなり古い時計でも修理しておりますので気軽にご相談下さいませ。