電池交換は時計の内部チェックのいい機会

電池の交換はよくある作業です。

2~3年もすると大抵の時計は電池が消耗しますので、運針異常や遅れが出てやがて停止します。

これは皆さんもよくご存じでしょうね。

電池交換は面倒だと思われる方も多いと思いますが、交換作業の中で私たち修理屋は色々なことを点検しています。

今回はそんなお話を・・・

腕時計の点検項目

クォーツ時計は機械部と電子回路部とで構成されていますが、それぞれに点検項目を決めてチェックしています。

  • 水分浸入の形跡はないか?
  • 錆や汚れはないか?
  • コイルや基盤に異常はないか?
  • 機械部の異常や磁気帯びはないか?
  • パッキンの劣化はないか?

などですが、前回交換時から短期間で電池の消耗が見られる時は消費電流値の測定をすることもあります。

単に電池交換をして「はい、いくら」ではないのですね。

電池交換時は内部観察するよい機会ですが、これなどは自動車のオイル交換時にエンジンルーム内を点検されるのとよく似ています。

定期点検と考えてはいかがでしょうか?

ご自分での分解点検は危険!!

ご自分で分解なさる器用な方もおられますが、内部にキズを入れてしまい壊したとか、細かい端子などを変形させることも多いですし、小ねじを紛失する方もいらっしゃいます。

多くの時計を所有されていると交換費用もバカにならないでしょうが、壊してしまっては元も子もなしです。

お任せ戴くのが安心かと思います。不始末の責任は当然取りますし・・

「時計が止った!」と思ったら・・・

来店される方の中でよくおっしゃるのが「時計が壊れました・・」です。

見たところきれいな時計ですしどこが悪いのかと調べてみると、電池が消耗して止まっているのですね。

動かない=壊れたとなるようですが、これはソーラー時計や機械式時計でも同様です。

購入される時に色々と説明があると思うのですが、意外にご存じない方が多いようですね。

人様から頂戴した時計や景品などもあるでしょうから、細かいことまでご存じないのも無理からぬことですが・・

種類に応じたメンテナンスが必要

ソーラーバッテリーの時計を引き出しの中に入れ放しでは充電できませんし、ぜんまいを巻かなければ機械式時計は動きません。

電波時計であれば受信環境が悪ければ正しく時刻修正ができず期待された精度は望めません。

モノに応じた使い方は当然ございます。

あと時刻やカレンダーの合わせ方を知らない方も結構多いです。

クロノグラフに至っては使ったこともなければ、使い方すら知らない方も多いですね。

華やかなデザインと多機能化で混乱しているのでしょうが、これなどは携帯端末などの機器ともよく似ていますね。

日々の生活に必要なものはそんなに多くはないと思いますし、限られた時間の中ですべての機能を使いこなすことも困難でしょう。

機械に振り回される現代人の悲喜劇かも知れませんが、昔のような簡素な暮らしを見直してみるのもよいですね。

時計の不調はすぐにご相談を

時計に関してご不明な点はなるべく判り易く説明しておりますが、まずはご自身で説明書を読まれることをお勧めします。

してはならない禁忌事項も書かれていますので、使用方法以外の情報も知ることになります。

大切な時計ですから基本事項を押さえて長くお使い戴きたいものです。

とは言っても、故障時は困るものです。お気軽にご来店ください

 

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